「うちの子、教科書の練習問題はできるのに、テストで見たことのない問題が出ると急に固まってしまうんです」
保護者面談の場で、私はこの相談を数えきれないほど受けてきました。
指導歴40年、大阪・沖縄・愛知の学習塾、
そして東京の大手塾のロンドン校・ニューヨーク校・上海校で日本人のお子さんたちの受験指導にあたってきましたが、
国や地域が変わっても、この悩みだけは驚くほど共通しています。
初見の応用問題に対応できないのは、才能やセンスの問題ではありません。
「解き方を覚える勉強」から
「考え方を組み立てる勉強」へ切り替えられていない、
それだけが原因です。
今日は、その切り替え方を具体的にお伝えします。
なぜ「できる問題」と「初見の問題」でこれほど差がつくのか
まず、多くの保護者の方が誤解しているポイントからお話しします。
学校のワークや市販の問題集は、
「今習った単元の解き方」
をそのまま当てはめれば解けるように作られています。
つまり、単元名がヒントとして与えられている状態です。
「一次関数の利用」という章にある問題なら、
一次関数の式を立てればいい。
子どもはそれを知っているので、深く考えなくても手が動きます。
ところが定期テストの応用問題や、入試問題になると話は変わります。
単元名という手がかりが消え、
「この問題は何を使えば解けるのか」
を自分で見抜くところから始まります。
私はこれを長年の指導の中で
「単元依存型の学習」
と呼んで警戒してきました。
海外校での指導時代、
現地校と日本の受験勉強を両立させる子どもたちを見て強く実感したことがあります。
パターン暗記に頼る子は、環境が変わったり出題形式が変わったりすると途端に崩れる。
一方で、日頃から「なぜこの解き方を選ぶのか」を言語化する習慣がある子は、
初めて見る形式の問題でも粘り強く対応できていました。
この差は、才能ではなく訓練の質の差です。
思考力が育たない子に共通する3つの学習習慣
原因をもう少し具体的に見ていきましょう。
指導現場で繰り返し見てきた、思考力が伸び悩む子の共通点は次の3つです。
1. 途中式を書かずに答えだけを求める
「数学で途中式を書かない」
というのは、実は多くの家庭で軽視されがちな重大な問題です。
途中式は単なる採点対象ではなく、
「自分がどう考えたか」
を可視化する記録です。
これを省略する子は、
間違えたときにどこで思考がずれたのか自分で振り返ることができず、
同じ間違いを繰り返します。
2. 解答を見た瞬間に「理解した」と錯覚する
解説を読んで「なるほど」と思うのと、
自力で同じ思考プロセスを再現できることの間には、
大きな隔たりがあります。
多くの子はこの錯覚に気づかないまま次の問題に進んでしまいます。
3. 「何を求めればゴールか」を確認せずに解き始める
応用問題ほど、問題文が長く条件が複雑になります。
焦って計算を始める子は、最終的に何を答えるべきかを見失い、途中で迷子になります。
数学ができる子の考え方――思考力を鍛える3つの学習行動
ここからは、家庭でも今日から実践できる具体的な方法をお伝えします。
① 「なぜその解き方を選んだか」を声に出して説明させる
問題を解いたあと、
「どうしてその式を立てたの?」
と一言尋ねてみてください。
うまく説明できない場合、
それは「理解」ではなく「作業」で解いていた証拠です。
この習慣を続けるだけで、初見問題への対応力は着実に変わっていきます。
② 途中式を「思考の記録」として残す練習をする
答えだけを書くのではなく、
「何を求めるために、なぜこの式を使うのか」
を一行添える練習を取り入れてください。
最初は面倒に感じても、数週間続けると、
問題文を読んだ瞬間に解法の道筋を組み立てる力が明らかに変わってきます。
③ 単元を隠して「初見」を意図的に作り出す
夏休みなど時間のあるタイミングで、
既習単元の問題をランダムに混ぜて解かせてみてください。
単元名というヒントがない状態で解く経験こそが、
実戦的な思考力を鍛える最良のトレーニングです。
単元別の反復だけでなく、
このランダム演習を必ず組み込むことを強くお勧めします。
数学 偏差値60の壁を越える子とそうでない子の違い
長年のデータを見てきた実感として、
偏差値55前後までは「解き方の暗記」でも到達できます。
しかし偏差値60を超える壁の前には、
必ず「思考力」という関門が立ちはだかります。
この壁を越えるお子さんに共通しているのは、
間違えた問題に対して
「なぜ間違えたのか」
を自分の言葉で説明できるという点です。
逆に言えば、この振り返りの質を高めることこそが、
最も効率的な偏差値アップの近道なのです。
「4月の時点で数学が手遅れになる」と焦って検索される保護者の方も多いのですが、
実は思考力の育成に「手遅れ」はありません。
ただし、対応が遅れるほど本人の中に
「解き方暗記型」
の学習スタイルが固定化されてしまうため、
新学期の早い段階で軌道修正に着手することを強くお勧めします。
家庭学習には限界がある――だからこそ「対話」による指導が必要です
ここまでお伝えした方法は、正直なところ、
家庭だけで継続するのは簡単ではありません。
「なぜその解き方を選んだのか」
を的確に問い返し、子どもの思考のどこにズレがあるのかを見抜くには、
専門的な訓練を受けた指導者の目が必要だからです。
私が半田市で主宰する「雙葉進学教室」では、
公式の暗記や解法パターンの反復ではなく、
「なぜそう考えるのか」
を徹底的に対話しながら引き出す指導を軸にしています。
40年にわたる指導経験と、
ロンドン・ニューヨーク・上海といった海外現場で培った
「思考力を言語化させる指導法」
を、半田高校・横須賀高校を目指す地域のお子さんたちのために還元することが、
私の教室運営の原点です。
数学が「暗記科目」になってしまっているお子さん、
基本問題はできるのに応用問題で止まってしまうお子さんは、
ぜひ一度、雙葉進学教室の授業をご覧いただきたいと思います。
半田市周辺で数学特化型の指導をお探しの保護者の皆様のご相談を、
心よりお待ちしております。
半田高校・横須賀高校対策に強い、思考力重視の数学指導。
まずは無料体験授業・個別相談にてお子さんの現状をお聞かせください。
大岩裕之(おおいわ ひろゆき) 雙葉進学教室 塾長。数学教育学修士・専修免許状取得。ロンドン・ニューヨーク・上海など6都市での指導を経て、2015年より半田市にて開校。指導歴40年・数学・理科専門。