数学が伸びる勉強法

「関数って何?」に即答できますか?数学が伸びない子の共通点

関数の理解が曖昧な理由を探る

いきなりですが、1つ質問です。

「関数って何ですか?」

1年生の教科書に出てくるような、基本中の基本の言葉です。
今さら聞かれても、と思うかもしれません。

でも、少し考えてみてください。

「関数ってグラフでしょ」
「関数ってxが入ってる式でしょ」

こう答えた人は、要注意です。

言いたいことはわかります。
伝えたいこともわかります。

でも、それって

なんとなくのふんわりした説明

ではありませんか。

実はこの

「なんとなくわかる」

という状態こそが,
公式を覚えているのに

問題が解けなくなる、
いちばんの原因です。

今日は、その正体をはっきりさせていきます。

曖昧な理解が数学の成績に与える影響

なぜ

「なんとなくわかる」

状態が危険なのでしょうか。

数学が苦手な人は、
こんな感じでなんとなくわかるんだけど、

明確に言えないというケースが
多いといわれています。

「ふんわりでも問題が解ければいいじゃないか」

と思うかもしれません。

ですが、それだと

問題の見た目が少し変わった瞬間に、
解けなくなってしまいます。

さらに厄介なのは、
問題文で本当は何を問われているのか
わからないまま、

なんとなく手を動かして
解こうとしてしまうことです。

つまり

「なんとなくわかる」

は、基礎問題という平坦な道を
歩いているうちは気づかれません。

でも、応用問題という
坂道に差し掛かった瞬間、
足元がグラつき始めるのです。

公式を覚えても解けない理由は定義の欠落

ここではっきりお伝えします。

「公式は覚えたのに解けない」の正体は、

不注意でも、演習不足でもありません。

「定義」を素通りしてきたことが原因です。

公式というのは、
実はいくつかの
「定義」
の組み合わせでできています。

定義を理解しないまま公式だけを覚えると、

その公式が何を表しているのか、
どんな場面で使えるのかがわからないまま、

丸暗記だけで乗り切ろうとすることになります。

その状態は、
見たことのある形の問題なら対応できても、
少し角度を変えられただけで崩れてしまいます。

土台となる定義を飛ばして、
上に建物(公式)だけを
積み上げているようなものだからです。

初見の問題に対応できない理由

ここで、多くの人が経験している現象を整理しておきます。

  • 参考書を1冊完璧に仕上げた
  • 「この問題はこの公式で、こう解く」というパターンは頭に入っている
  • なのに、模試や初めて見る問題形式になると、急に手が止まる

これは、
参考書を1冊完璧にしたからといって、
初見の問題で同じように点数が取れる

とは限らないと指摘されている、
非常によくある現象です。

原因は単純です。

「この問題にはこの公式」というパターンの丸暗記


だけでは、少し数値や条件が変わった瞬間に
対応できなくなるからです。

初見の問題を解く力というのは、
その解法がどんな条件で有効なのかを、

どれだけ深く理解しているかで決まるといわれています。

たとえば

「相加相乗平均の不等式」

という有名な解法も、なんとなく

最小値を求めるときに使うものだと
漠然と理解しているだけでは、
実践で使いこなせません。

「どんな数の組み合わせなら使えるのか」

「どんな場面で効果を発揮するのか」

という

使用条件

まで理解していて初めて、
初見の問題でも武器として使えるようになります。

つまり

「見たことある問題しか解けない」

のは、パターンの数が足りないからではなく、

1つ1つの解法や公式を、

どんな条件で成り立つのかというレベルまで

理解できていないから

なのです。

定義を理解することが近道である理由

「でも、定義から勉強し直すなんて遠回りじゃないの?」

と思うかもしれません。

実はここに、意外な事実があります。

定義は公式を分解する最小の単位でありながら、

その定義の数は、公式の数よりもずっと少ないのです。

公式は無数にあるように見えても、
元をたどれば少数の定義の
組み合わせでできています。

公式1つ1つを、
その使い方までセットで
丸暗記しようとするより、

少ない数の定義をしっかり理解しておくほうが、
結果的に覚える量も、
理解にかかる労力も少なく済みます。

さらに、定義という最小単位で理解しておくと、
バラバラに見えていた公式同士の
つながりが見えてくることもあります。

「あ、これとこれ、実は同じ定義から出発していたんだ」

という発見は、丸暗記だけでは絶対に得られません。

公式の使い方がわからなくなる原因は、公式を

「使うこと」

しか考えていないからだともいわれています。

公式を自分の中で

「作れる」
「説明できる」

レベルまで理解しておけば、
使い方は後から自然についてきます。

定義を理解するための具体的な勉強法

最後に、今日から実践できる3つの行動をお伝えします。

新しい公式が出てきたら、まず定義に立ち返る

公式を覚える前に、

「この公式のもとになっている定義は何か」

を確認してください。教科書の該当ページに戻るだけでも十分です。

「これって何?」と人に説明するつもりでまとめる

「関数とは何か」

「一次関数とは何か」

を、友達や家族に説明するつもりで、自分の言葉で書き出してみてください。

詰まった部分が、あなたの

「なんとなくわかる」

ポイントです。

公式を使うとき、使用条件を意識する

問題を解くたびに、

「この公式はどんな条件のときに使えるのか」

を一言メモしておく習慣をつけてください。

これが、初見の問題に対応できる力の土台になります。

次にワークを開くとき、公式をそのまま覚えようとする前に、一度

「この言葉、自分の言葉で説明できるかな」

と立ち止まってみてください。

その一手間が、見たことのない問題にも

対応できる力に変わっていきます。


大岩裕之(おおいわ ひろゆき) 雙葉進学教室 塾長。数学教育学修士・専修免許状取得。ロンドン・ニューヨーク・上海など6都市での指導を経て、2015年より半田市にて開校。指導歴40年・数学・理科専門。

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