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1.選抜方式の種類
愛知県の公立高校入試では、主に以下の選抜方式があります。
| 選抜方式 | 概要 | 出願できる人/特徴 |
|---|---|---|
| 推薦選抜 | 各高校・学科すべてで実施。主に「中学校の推薦+調査書(内申)等」で合否が決まる方式。学力検査を行わない高校・学科も多い。 | 中学校長の推薦を得た生徒。専門学科・普通科ともに対象。 |
| 特色選抜 | 2023年度入試制度改正以降、導入された選抜方式。学校・学科の「特色」を生かした選抜。中学校の推薦を必ずしも必要とせず、「作文・基礎学力検査・プレゼン・実技」など+面接で選抜。 | 普通科・専門学科のうち、学校側が実施を決めたところ。推薦選抜とは併願できないケースもある。 |
| 一般選抜 | 推薦・特色選抜と別に、受検者全員が対象となる基本的な選抜方式。学力検査+調査書(内申)+(学校によって)面接・特別検査等で合否を決定。 | 中3生が多数利用。全日制課程では2校まで出願可(但し群・グループのルールあり) |
2.制度改正ポイント(最近の変更)
・令和5年度入試(2023年4月入学者)から、一般選抜の学力検査回数が 2回→1回 に変更。
・推薦選抜や特色選抜の実施時期が早まっています。
・一般選抜における校内順位(=合格候補者名簿作成時の評価方法)について、各高校が「Ⅰ~Ⅴ方式」の中から選ぶようになっています。
3.一般選抜の仕組み・具体的ポイント
・出願・志願のルール
・普通科の場合、県内の「尾張学区」「三河学区」など学区があり、また「Aグループ」「Bグループ」に分かれている高校もあります。2校まで出願可ですが、群・グループ等のルールを守る必要があります。
・学力検査・面接・特別検査
・5教科(国語・数学・社会・理科・英語)で学力検査を実施(英語には聞き取り検査を含む)。各教科22点満点、合計110点が基本になります。
・一部高校・学科では面接・特別検査(実技・プレゼンテーション等)を実施。
・校内順位の決定方法
・一般選抜では「評定得点(内申)」「学力検査得点(当日点)」を合わせて校内順位を出し、合否判断に使用。各高校が以下のⅠ~Ⅴの方式から選択。
- Ⅰ:評定得点+学力検査得点
- Ⅱ:評定得点×1.5+学力検査得点(内申重視型)
- Ⅲ:(評定得点)+(学力検査得点×1.5)(当日点重視型)
- Ⅳ:評定得点×2+学力検査得点(さらに内申重視)
- Ⅴ:評定得点+(学力検査得点×2)(さらに当日点重視)
また、評定得点は「調査書の9教科の評定合計を2倍」して90点満点。学力検査は110点満点。
・出願・合格発表など日程
・一般選抜で2校出願可能。志願変更も認められており、学校・群・グループごとに日程が設定されています。
・合格発表も、推薦・特色・一般で時期が異なります。
4.推薦選抜・特色選抜のポイント
推薦選抜
・全ての高校・学科で実施。出願には中学校長の推薦が必要です。
・学力検査を行わないケースが多く、面接・調査書・推薦書などで選抜されます。
・普通科では募集人員の10〜15%程度、専門・総合学科では30〜45%程度が推薦枠という資料もあります。
特色選抜
・中学校長の推薦が不要という点が特徴。出願条件を自らクリアして申し込むタイプ。
・面接全員実施+作文・基礎学力検査・プレゼン・実技の中から1つ。
・定員枠として「募集人員の20%程度まで」を上限に設定されている学校もあります。
5.保護者・生徒向け「押さえておきたいポイント」
- 内申(調査書の評定)が重視される高校・学科では、日々の授業・提出物・学校生活の態度が合否に影響します。校内順位方式を確認し、内申重視型(Ⅱ・Ⅳ方式)か当日点重視型(Ⅲ・Ⅴ方式)かを見極めましょう。
- 一般選抜では、学力検査は1回という制度に変わっています。聞き取りのある英語・5教科対応など、出題形式を確認しておきましょう。
- 特色選抜・推薦選抜は早めに出願準備が必要です。特に「特色選抜」は志望理由書・プレゼン・実技などが課されるケースがあり、一般選抜とは別の準備が求められます。
- 学区・群・グループの制度を理解しましょう。志望校を複数出願する場合、群・グループをまたいでの出願が制限されているケースがあります。
- 各高校・学科によって「どの方式を使って校内順位を決めるか」「面接・特別検査を実施するか」が異なります。志望校の募集要項を早めに確認しましょう。
- 過去の倍率・合格状況・定員枠などを押さえ、戦略的に志望校を決めることが重要です。特に人気校では「当日点重視型」の傾向が見られるため、模試・過去問演習を早めに始めましょう。